南米へ釣りに行く
予定を立てていた海外遠征計画がことごとく白紙になってしまった昨年末。
既にスイッチが入ってしまった僕は何処かに行きたくて燻っていた。
そんな時、偶然にもガイアナ遠征の話を聞きつけた。
コレだ!!
早速、詳細を問い合わせ準備に掛かった。
予防接種に電子渡航認証、ルアーに仕掛けにとにかく初めての南米で何が必要で何が要らないのか全然わからなかったけど数人の方に色々教えて頂きなんとか準備が整った。
会社員の僕には遠い夢だと思っていた南米釣行。出発当日まで何処か他人事の様な変な気持ちだったのを憶えている。
今回は5人での釣行。
僕を含めた関東3人は羽田からカナダ経由。関西2人は関空からアメリカ経由で現地集合という事になった。
−2月某日− 羽田空港
同行者と合流しチェックインカウンターで荷物をガイアナまで通しで預けたいと伝えるとシステムの関係上、一度カナダでピックアップしてくれと言われた。ちょっと面倒くさいがロスバケの危険性も少なくなるしまぁいいかという事でフライト。
12時間の長旅を経てトロントへ到着。
早速荷物をピックアップしに向かうが待てど暮らせど出て来ない。しかも3人共。
流石にこれはおかしいとバゲッジサービスで調べてもらったが登録されてないとか言われる始末。
仕方なくロスバケの書類を提出し無事にジョージタウンに着く事を願いつつビール飲みたさに空港内を徘徊。
軽く飲んでガイアナ行きへ搭乗。
直後、関空組から連絡が入る。
予定していた便が消滅した為、ニューヨークで一日足止めをくらいそうだと…。
既に離陸寸前だった為、今後の打合せも出来ずフライト。出だしから立て続けのトラブル発生で心配になったがなる様にしかならないので深く考えない事にした。
ガイアナ共和国へ入国
トロントを出ると客層も一気に南米チックな人々に変わった。おそらく機内にいたアジア人は僕ら含め数名だろう。5時間ほどのフライトの後、トリニダードドバコに着陸。トロントからの乗客は此処でほとんど降りて行った。
しばらく機内で待機した後、ガイアナへ向け約1時間半程のフライト。
朝からレゲエが流れる機内から外を覗くとそこはもうどこまでも続く青と緑の王国だった。
定刻通りジョージタウンに降り立ち機内から出ると熱く湿った空気と燦々と降り注ぐ太陽がジリジリと肌を焼く。
イミグレを抜けると心配していた荷物も無事3人とも届き、アメリカ経由の2人もなんとか1日遅れでキャンプ地に来れそうという事で一安心。
出迎えてくれたガイドの車に乗り込みジョージタウンを一路セスナの飛行場へと向かう。
道中、民家の脇にある用水路というよりドブを覗くと野生のグッピーがこれでもかと生息している事に早くもテンションが上がったが夢中になっていると時折背後を通る車や人から危険な視線を感じる事もあった。
ここジョージタウンは南米でもかなり治安の悪い場所の一つ。
日中でも怪しい連中がたむろしている様な所もあり、無知識な状態での不要な外出は避けた方が良さそうだ。
出発前には怖い事件も沢山聞いたしマジで長居は無用だと思った。
飛行場に到着し手荷物の検査を済ませたら併設されたレストランで初のガイアナ飯を食べる事になった。大好物のカレーもある。
飯はお世辞にも美味いとは言えないと聞いていたが機内食をまともに食べていなかったので約30時間振りにちゃんとした飯が食える事が嬉しかった。
しかし一口食べてそれは一時の幻想だった事に気が付いた。
釣り場への中継地にフライト
釣具や今日使わない諸々の荷物はガイドが車で夜通し走りキャンプ地へ運んでくれる様だ。
身軽になってフライトまで待合室で待機する。
イメージでは狭くてポンコツなセスナで行くのだろうと思ったら意外に格好がいいセスナがこちらへやってきた。
こいつでブラジルとの国境沿いにある町へ飛ぶ。
1時間程すると上空から目的の町が見えてきた。
イメージしていた景色とは違い町の周囲は乾燥した赤い土に背の低い植物が彼方まで続いていてさながら映画で見るテキサスの荒野の様。
この町で一泊し翌朝船着場へ移動を開始する予定。
ホテルの周りは隣に小規模な川が流れている位でこれといったものはなく、部屋に荷物を降ろし付近を軽く探索したらビール飲んで寝る位しかやる事がない。
移動続きでまともに横になれなかったのでベッドの寝心地の良さに気付いたら日が暮れるまで寝ていた。
夕食を食べ昼間は出て来ていなかった生き物がいるんじゃないかと付近を探索する。
体長3cm〜5cm位の魚やビックーダの幼魚の様な20cm程の魚も確認。
釣り道具が無いのが悔やまれる。
ヒキガエルの姿もちらほらあった。
大人になってからまじまじ観察する事は無かったがよく見てみると愛嬌のある顔つきでとっても可愛らしい。
夜のガサガサを終えて宿に帰るとまさかのWi-Fiが使える事が判明し歓喜した。
いよいよ明日からキャンプ地だ。