インド北東部 メガラヤ州で釣りしてみた
長旅の疲れもあり昨夜は早い時間から寝落ち。お陰で午前3時過ぎにしっかり目が覚めて準備することが出来た。
今日からが釣りの本番。
紹介が遅れたが今回の狙いはブルームーンギャラクシースネークヘッド(学名:Channa pardalis)
提供 @MobiAqua2017 http://mobiaqua.blog.jp
メガラヤレオパードなんて呼ばれたりする小型のスネークヘッドで2016年3月に正式に新種記載された種で見ての通り物凄く綺麗な青色をしている。
メガラヤ州のごく一部の水が綺麗な水域にのみ生息しており他のスネークヘッドと比べて比較的冷水を好む。
行き当たりバッタリで捕まえられる程イージーでは無いだろうけど一度野生のメガラヤレオパードをこの眼で見てみたい。
まずは今夜の宿を確保して荷物を預け、釣り場に向かう為の車を探しに中心地のロータリーへと向かう。
ロータリーに入った瞬間「チェラプンジ?」と小綺麗な格好をした男に声を掛けられた。
観光ではなく釣りに行きたい事を伝えて魚の写真を見せると周りに居たタクシーの客引き達がワラワラと集まってきた。8人くらいに囲まれダメ元で写真を見せて身振り手振り説明しているとその内の一人が知っているというではないか。
昨夜僕がGoogleMapで目星をつけた川にもいると言うので1日車をチャーターしたい事を伝え料金交渉。言い値は3000ルピー。
しばし交渉し付近にいる別のドライバーにも声を掛けたが全員結託しているっぽく下がりそうに無い為、最初に声を掛けてきた小綺麗な男に頼む事にした。名前をノビンと言う。
先ずはエントリーしやすそうな下流域のポイントへ向かう。シロンの街中は大渋滞していてなかなか抜け出せない。ようやく抜け出せたと思えば今度は未舗装の山道だ。ガードレールなんて物はなく道のすぐ脇は数百メートルの崖が続いている。
この谷底にきっと川があるはずだ。
車はガタガタとまだ見えない谷底目指して下っていった。
川岸に降り立ってみると水は濁りとゴミでかなり汚かった。
綺麗な場所を求め、ヘヴィ藪漕ぎをしながら上流方向へ向かい竿を出してみたが魚からの反応はない。
せっかく来たのに手ぶらで帰るのも嫌なのでその辺に飛んでいた蝶を採取しながら来た道を戻る。
綺麗な蝶には逃げられ、日本にも居そうな蝶しか採れなかった。甘くない。
青い宝石を探しに谷底へ
続いて次のポイントに向かう為、再び悪路を谷底目指して下る。
しばらく進むと道が終わり車はここまで。
谷底を覗き込むとかなり急斜面な山肌に人が降りた後を発見した。
川も少し濁っている様だがここまで来たら行ってみるしかない。
荷物をなるだけ軽くし谷底に向かって降りていく。高度にして200m位だが足場が細く浮石や落ち葉でスリップしやすいので必要以上に注意して進んだ。
またここ登るの嫌だな…。
谷底に降りると先ほどの川と違いゴミはほとんど無かったがやはり多少濁りが入っている。
雨も降ってない筈なのにこの濁りは一体どこから来るのだろう?
一通り付近を釣り歩いてみたが岩陰から10cm無いくらいの何かが姿を見せたのみでそれ以外の反応は得られず。
濁りのせい?エリア?釣り方?
はたまた個体数が非常に少ないのか?
そんな事を頭の中でぐるぐると考えたが僕の知る限りこの魚をわざわざ釣りに来た外部の人間は恐らく居ないと思われるので情報なんて全くないのだ。
収穫といえば意外な事にこの谷底で釣りをする現地人らしき人物と遭遇した事くらいか。
対岸にいた上、英語が通じなそうだったので何が釣れるかは聞けなかったのが残念だった。
結局この日は濁りに悩まされ不本意な結果で終了。
丸一日、未舗装路に付き合わせ車傷だらけにしてすまん。悪意は無いんだ(棒読み
ありがとうノビン!
丸一日ハードに動いたせいでやたらビールが飲みたい。
ビールを探し血眼になって町中を捜索していると遂に酒屋を発見。
インドに入ってから酒が見つけられず日本から持参したウィスキーをチビチビと煽っていたのだがここへ来てようやくビールを入手する事に成功した。
久しぶりのビールを楽しみつつ明日のプランを練って就寝。
想定外の事態発生
翌日
昨日の内に濁りが入りにくそうな河川を数カ所ピックアップしており、意気揚々と宿を出た。
少し歩くとポツポツと雨が降り始め、乗合タクシーに乗り込む頃には土砂降りへと変わった。遠くで雷鳴も聞こえる。
しばらくしたら止むだろうと気にせずいたがいつまで経っても止むことはなかった。
不味い状況だ。流石に降り過ぎだ。
これでは全ての河川が濁ってしまう。
ドライバーに尋ねるとこの時期にこれだけ雨が降るのは珍しいらしい。なんてタイミングの悪さだ。
釣りを続行すべきか予定を早めてバングラに入国するかの難しい選択を迫られた。
とりあえず釣り場との分岐点までに今後の身の振り方を考える事にした。
しばらく走ると雲を突き抜けたのか一瞬晴天になった。
この街で昼飯休憩。
名前はわからないがモツと野菜とターメリックライス的な食べ物。
こいつも例に漏れずめちゃくちゃ美味しい。
メガラヤは本当に雲の住処という名がピッタリとくる。
道中ほとんどが雲の中だ。
モンスーンがモロに当たる地域で降雨量世界1位らしい。
前がよく見えない状況でも相変わらずガンガン飛ばしまくるドライバー。もう慣れ過ぎてなんとも思わないが多分日本で同じ運転したら夕方のニュースになること間違いなしである。
そんな事をしている内に釣り場への分岐点まで到達。
道中の川は全てどちゃ濁りでとても釣りになる状況ではない。
本来アジアハイウェイを行くのが最大の目的だった筈だがここへ来て釣り人魂に火が付いてしまった。
しかし冷静に考えればこの量の雨が降った後の河川がどういう状況なのかは経験からわかる事であるしムキになり過ぎてこの地を発つのが遅れると色々不都合があるのも事実だ。
一度火が付いた心を消火するのはかなり不本意ではあるがここは先へ進むのが正解だと判断。今回は調査だ。また来ればいい。
そう言い聞かせドライバーに国境へ向かうよう告げた。