現代シルクロードの旅#1 〜アジアハイウェイ1号線を行く〜 – Expedition!!←最初から読む
近くの飯屋でキンキンに冷えたマンダレービールを一杯やってチケット売り場へ戻ってきた。
結構大きいバスだ。
荷物を積み込み乗車。僕の席は最前列。
チケットを買う際、一度今日は空きが無いような事を言われたが上手く手配してくれたのだろう。スタッフらしきお兄ちゃんと足元のウサギさん2匹と同席だ。食料なのかペットなのかわからないが長旅の相棒が出来たので退屈はしなそうだ。
走り出して15分後、運転手のジャガイモ(仮)はクラクションを鳴らしまくりブチ切れているし僕の真後ろの方は既にオエオエ吐きまくっている。カオスだ。
いくらなんでも早過ぎるだろ。どこまで行くのか知らないが国境までは12時間以上かかる筈だから今から吐いてたら着く頃にはミイラになっているに違いない。
事前に袋が配られたのはこの為かと納得した。
道は一応舗装されてはいるがそこまでいい舗装ではないので乗り物酔いしやすい人は気をつけた方がいい。
走り出して3時間ほどでチンドウィン川を越えた。
広大過ぎてどこを釣っていいかわからない系の河川だ。
途中、給油とトイレ休憩を挟みつつバスはひたすら国境を目指しアジアハイウェイ1号線を爆走。相変わらずジャガイモはクラクションを鳴らしまくって上機嫌だ。
乗り込んできた若者達がいい感じの音楽を流し始め夕暮れ時と相まって夜行バスの旅に色を添えている。
夜の帳も下りようという頃、道が1.5車線程に変わった。むしろ1車線と言っても過言はないだろう。対向車が来る度に路肩に寄せてギリギリ躱せるくらい狭い道が続いた。
途中ジャガイモがまたアホみたいにクラクションを鳴らしているので何事かと思ったら故障したトラックが道のど真ん中で立ち往生していた。そんなカッカするなジャガイモよ。
みんなバスから出て行って人力で押して路肩に退かし無事突破。
出発してから何も口にしていないので腹が減り過ぎていっそ寝てしまおうと考えていた夜9時頃。バスはパーキングらしき場所に停車した
微妙に寝かけていたのでもはや飯は要らなかったのだがこの先も長そうなので乗客にくっついてバスを降りる。
定番のレストランなのかな?引っ切り無しにバスや車が入って来ていた。
英語がわかる人間が1人もいないので同じテーブルに着いたミャンマー語らしき言語で話しかけて来たおじさんと雰囲気で会話。代わりに店員に何かを注文してくれたようで無事に飯が出て来た。
さっきまで寝そうになってた身にはこたえそうなボリュームだ。
メニューはいい感じの塩加減なスープと瓜系の漬物、唐辛子と豆腐のような物の炒め物、フライドエッグ。就寝前なので腹8分目にしようと思っていたのについつい食べ過ぎてしまった。
全員が食べ終わったら再出発。道は更に悪くなりアップダウンに加えて急カーブが増えてきた。ほぼ1車線の先が見えないコーナーを猛スピードで攻めるジャガイモ。一応夜なので対向車が来たらライトでわかるのだけど歩行者が居たら普通に轢いてしまうレベルだ。お陰で最前列の僕は全く眠れない。
ジャガイモ許すまじ。
まぁ。タムーに早く着いてくれるのは良いんだけどね。生きて着きたいよ俺は。うん。
とか言ってる間に怖さにも慣れて来て寝た。
毎回思うけど劣悪な環境に対する人間の適応能力って凄いものがある。でもモノによっては慣れ過ぎると日本での生活に些か支障をきたす事もあったりするから帰国便の中でリセットしとかなきゃならなかったりするんだけどね笑
次に意識を取り戻したのはバスターミナルのような場所だった。
時間は午前3時。みんなバスから降りている中起きてキョロキョロしていると降りろみたいな事を言っているので寝ぼけながら降車。
どうやらここはカレーミョという町らしい。
ここからバスでも乗り換えるのかなと思いながら突っ立って待っていると何やら荷降ろしを始めそれが終わると再び「乗れ!」みたいな事を言っている。
一体何の時間だったのだろう。
人が気持ちよく寝ている所を叩き起こしてただ荷降ろしを見させらるとかなんなの?車の中居ちゃダメなの?
ジャガイモ許すまじ。
夜が明けた。
アジアの日の出、日の入りは不思議と何度見てもノスタルジックな気持ちになる。
タムーまではもう少しだ。
マンダレーを出てからもう15時間になろうとしているのにジャガイモは少しの休憩しか取っていないにも関わらずケラケラ笑いながら運転している。恐るべき体力と精神力だ。
バスは朝6時ごろタムーに到着。
バスを降りると地元の方らしきお兄さんがイミグレーションは9時からだと教えてくれたがなるべく早くインパールへ着きたかったので一先ず国境へ向かう事にした。
国境までは少し距離があるのでリキシャを使ってミャンマーのイミグレまで向かう。
ミャンマー側のイミグレ。
サーバーがダウンしたから5分待ってくれとの事。田舎にありがちな和やかな感じだ。
念の為聞いてみたがeビザ、アライバルビザともに受け付けていないらしいのでミャンマーからインドへこのルートで入る方は事前に大使館でインドビザを取得して下さい。
※2019年4月下旬情報
ここで追い返されるとかツラ過ぎだからw
あの橋が国境だ。
遂に念願だった東南アジアと南アジアを繋ぐ国境を渡る時が来た!
こちらがミャンマー側。
はい。こちらインド側。
国境なんてなんてこと無いただの地図上の線なんだけど国境を持たない島国である日本に生まれたからか何故か興味をそそられてしまうんだよね。
と言うわけでインドの地へ足を踏み入れる事に成功した。
初めてのインドでこんなレア国境から入国するとは自分でも思ってなかったな。
あ。まだ正式に入国したわけじゃないか(笑
次はインドのイミグレだ。
目指せインパール!!