ミャンマー開拓旅#1 タイ編〜旅の起点〜 – Expedition!! ←最初から読む
ミャンマー開拓旅#6 〜アジア最後のフロンティア〜 – Expedition!!←ミャンマー編から読む
ミャンマー開拓旅#8 〜渓流釣りinダウェイ〜 – Expedition!!←前回のお話
実釣2日目
今日は少し規模が大きい川へ行く事になった。
既に魚を確認している昨日の川へ行って未踏エリアを調査するという選択肢もあったが最終的に1箇所に固執するより一通り回って状況を把握し次に繋げられる方がいいな。という意見で加藤さんと一致。
この「またくればいい」というスタンスは社会人として結構難しくて時間の制約がある中決して安くないお金を使ってここに立っているのだから絶対釣って帰りたいと思うのが当然だ。
だけどあまりガツガツ釣りするのも旅味としてどうなのかな?と思ったりする所もあったりするし何というか力を抜きつつここぞと言うタイミングで一生懸命出来る事をするっていうスタンスが思わぬ魚を呼び込んだりする事も多い気がしている。知らんけど。
とにかく魚釣りは不思議だと思う(語彙力)
船を出してくれる漁師さんの家へ挨拶。
国によって様々なバックグラウンドはあるにせよどこへ行っても子供達は屈託のない笑顔を見せてくれる。
お父さんにくっ付いて川へ降りる。
息子さんかな?今日の船頭をしてくれる様だ。
船のエンジンはタイで一般的に見る物より舵角が広く急旋回が可能な仕様。
地域によって微妙に違って面白い。
お父さんにブルーマシールとカスープの写真を見せるとここにいるぞという返答が返ってきた。
それに付け加える様にボトムを狙うとバスが釣れると言っていたがはて…?
船をゆっくりと遡上させながら要所要所打っていく。
丘の中腹にパゴタ。
時々上陸しながら釣る。
しばらく真剣に釣りしてみたが…
いやー。釣れないね。
こう釣れないと飲むしかないね。
暑いし(いつもな気もする)
暑さと釣れなさで徐々に意識が遠のいてきた頃、流れが当たる岬状のエリアの水面に生命反応を発見。
半分気絶状態から一気に覚醒し突如キャスティングマシーンと化す。
岬一帯で何かがやたらとライズしているがなかなかヒットしない。よく目を凝らして見ると小型のナイフフィッシュの様だ。ゆうに100匹はいるのではなかろうか。
ナイフフィッシュを猛烈に釣りたくてキャストを繰り返していると突如ドスッ!という衝撃で何かがヒット。
なんかやたら引くけど何これ!?ナイフじゃないよ!!
ん?
え….?あ?
えええええぇぇぇぇぇ!!
ブロンズ色の身体を翻し上がってきたのはなんとバラマンディだった。
ミャンマーにも居たのか!
これにはボート上が一気に沸いた!!
立て続けに加藤さんにもヒット!!
やばい!なんか群れてる!!
うおぉぉ!!
お父さんがバスと呼んでいたのはこいつだったのか!!
いつか野生のバラマンディを釣りに行こうと思っていたけどまさかここで出会う事になるとは思っていなかった。
ミャンマーよ。
サプライズが過ぎるだろ。
少しバイトが遠のいたので場を休ませる為先へと進む。
船頭のお父さんに聞くとメーターを超えるサイズも何回かとった事があるらしい。
後で調べてみたがアンダマン海側で漁師がビッグサイズのバラマンディを捕獲している情報が出てきたのであり得ない話ではなさそうだ。少し行くと浜辺に一軒の民家を見つけた。
一家はお父さんの知り合いのカレン族の方々。
先日知ったこの国を取り巻くセンシティブな事情に僕等を受け入れてくれるのだろうか?と少し不安に思ったがそんな予想とは裏腹にとても快く迎えてくれた。そして何故か逆に僕等が写真を撮られるという珍体験まで出来た。外国人に会ったのは初めてなのだろうか?
どちらにせよとても心穏やかな人達でこちらまで穏やかな気持ちになる。
再び出船しようとすると一家の男達が数人船へ乗り込んできた。
どうやら案内してくれる様だ。
それは非常にありがたいと思っていたらあれよあれよとお母さんや子供達まで船に乗り込んでくる。
この小さい船に総勢10人オーバーを乗せ釣りを再開。
上流に用事でもあるのかな?多分序でに乗っけていく感じだろう。
美味しいかい?
切り出した木材を筏代りにして運搬中。
カメラを向けるとオーイ!と言った感じではしゃぐ子供たち。
いきなり現れた外国人に固まる子もいた笑
上流方面は反応が薄くそろそろ折り返さねばならない時刻が近づいてきた。
そして途中で乗せたカレン族一家なのだがてっきり何処かへ送っていくのだと思っていたら何処へも降ろさず元居た家まで戻ってきてしまった。
単純に暇つぶしだったのだろうか?暇つぶしにしては乗り込み過ぎだと思う。いや本当に乗り込み過ぎだと思う。
一家と別れ午前中にバラマンディが溜まっていたエリア付近を打っていく。
加藤さんとダブルヒット。かわいいカスープも釣れた。
数匹追加し村へ帰着。
お父さん一家が食べるという事で数匹キープ。僕達も1匹頂くことにした。
何やかんや2人で10本以上は出たんじゃないかな。
これだけ釣れればミャンマーでのバラマンディ釣りは成立すると断言しても良いと思う。
子供をあやすつもりが毎回大泣きさせる加藤さんの才能はすごい。
昔は色々あったのだろうがここに住む人々は笑顔で優しくそして逞ましく生きている。
遥かに豊かな日本に住む僕等は彼らの様にイマを目一杯生きれているのだろうか?
旅に出る度、僕は毎回自問自答を繰り返している。
最終日はまた別の川へ向かった。
1番期待が持てなそうな川だったが案の定水量が乏しく座礁しては押し、座礁しては押し釣り時間の大半を船を押すゲームをして帰ってきたようなものだった。
なかなか全てが上手く行くことなどない。
むしろ今回の旅は何も知らず思い付きで来た事を考えると大成功と言っていいだろう。
数回通わなければ何もわからないのが普通なのだから僕達はかなりの幸運だったと思う。
最終日にしていいオチがついたという事にしよう。
ここでも明るい子供達が沢山待って居た。
君達の瞳に一体僕等はどう映っているのだろうか?
最終日の釣りも終了し今日で旅の仲間ともお別れだ。
サム。いきなり現れた専門外の訪問者の為にあちこち駆けずり回ってくれたとても誠実な人だった。ありがとう。
See you again.
We wish your happiness from my heart.
ミャンマーへ入ってから一緒に旅をした加藤さんともここでお別れ。
この旅が上手くいったのも加藤さんが居てくれたからこそだ。 本当に色々と助けられてしまった。かたじけない。
毎回誰かに助けられて旅が出来る事に感謝したいし日本に居ると当たり前に来る日常はとても尊い事を強く再確認する旅になった。
2018年12月31日 大晦日
ありがとうございます!
お気をつけて!!
お互いそう言って加藤さんはヤンゴンへ、翌日僕はバンコクへと戻った。
Cheers to the friends of juorney!
See you Myanmar🇲🇲
ミャンマー開拓記 完