ミャンマー開拓旅#1 タイ編〜旅の起点〜 – Expedition!!←最初から読む
車はミャンマーとの国境エリア、サンクラブリを目指し西へ走行中。
その車中、狭い座席で膝の上にバックパックを抱えた僕は全く身動きが取れないでいた。前を向こうにも抱えているバックパックに鼻が当たって向けないほど窮屈だ。さっきから通路を挟んだ隣に座っている女の子2人がとても不憫そうにこちらを見ている。
この状況を客観的に見てみたくなった僕は写真を撮ってもらおうとしたが突然荷物に挟まれた男に「写真撮ってもらえますか?」と聞かれても「何を?」となる事が想像するに容易いので辞めた。
途中下車していく人が出る事を祈ったが下車したら違う人が入れ替わりで乗ってきて結局サンクラブリまでの4時間石抱の刑に服していた。
バスターミナルで友人の1人であるトゥイと合流しとりあえず昼飯のバミー。
この後の予定について飯を喰いながら相談の結果今夜の宿は彼の職場の一角に厄介になる事になった。広い。広過ぎて逆に寂しい。
トゥイ「今夜は俺の友達もここに泊まるがいいか?」
むしろ大歓迎だ。
宿代も半分になるし。
荷物を整理し詰め替えたら即釣りに向かう。
この時既に昼の2時過ぎ。
近くに軽く釣りに行くのかとバイクに飛び乗ったが…
既に1時間近く走ってるんですけど一体どこまで釣りに行くんでしょうかこの人は。
ようやく釣り場に到着したら次は船に乗れと。
言われるがまま船に乗り込む。嫌な予感しかしない。
普段は陸なのか水面の至る所に立木や枝、草などが顔を出していてかなり浅い事が伺える。
これ暗くなったら事故るんじゃね?
てかさっき船にヘッドライト積んだよね?
明るい内帰る気ないよね?(確信)
おー。なんか何処かでみたことある様な小屋だ。
ココは一体どこなんだ?カオレムの一部か?
どんどん上流を目指し遡上中。
現在PM4:00
流れが出て来てロックエリアに突入。たまに座礁しながらずぶ濡れになって進む。
バッファローとエンカウント。
トゥイ「よし。釣り開始だ」
現在PM4:30…
トゥイのオフィスから2時間半かかった計算だ。
おまえ…
言えや!!!
ちょい釣りしに行くのには遠過ぎるだろw
やれやれ…と思いつつキャストを開始すると
プルプル!
まさかの一投目で即ヒット!
淡水のダツですかね。
続けてキャストすると付近に群れているようで引いているルアーに纏わりついてくるのが見える。リーダーがズタボロにされてしまうので流れに乗りつつ下流へ流し釣り開始。
流れの巻いているところにキャスト。
するとドスッとヒット!
いつ見ても鱗が綺麗だねぇ。
よいしょ!
可愛いけど今旅一発目のカスープ!嬉しい!!
そのまま川を釣り下って行くと漁帰りの船と遭遇。
中を見せてもらうと食用のカエルと立派なスッポン。
美味しそうね君。
その後も釣り下ったが流れが緩くなったら一気に魚っ気が無くなってしまった。
帰るぞー!急げ急げー!!
なんとか暗くなる前に立木エリアを抜けたい。日が落ちるのは早くあっという間に付近は闇に包まれた。
時折ボートの真横を立木がかすめる。
まぁでも地元の人間は障害物の位置を把握していて心配するこちらの気持ちをよそに余裕でスイスイ帰れるってのがよくあるパターン。
今回も心配しなくて大丈夫だろ。
そんな感じで身の回りの物をゴソゴソと片していると突然バコン!という音と共に頭部に衝撃が走った。
立木に激突。
いてぇ…。
トゥイ「ソーリー。ソーリー。大丈夫か?」
ナ「ま…まぁなんとか。」
その後も数回立木に激突しながら帰ってきた。
船のバウに残る事故の痕跡。雑過ぎて段々ウケてきた。
トゥイ「ビール飲むか?」
立木に激突しまくったのを悪く思ったのか近くの商店に寄りビールをくれた。
ナ「おし。早く帰って飯食うべ!」
トゥイ「だな!」
バイクに跨り街灯もない暗闇を行く。途中トゥイと色々話をしながら帰った。しかしその度に後ろを向いて喋るため運転がめちゃ怖い。毎回路肩に寄って行く。
真っ暗なジャングルの中、夜の空気を切り裂きながら走る。夜風がとても気持ちいい。10代の頃バイクで走り回った時を思い出す。
無事町の市場に到着し晩御飯を調達。
トゥイの職場へ向かう。
晩御飯はパッタイと焼鳥。
しばらくするとトゥイの友人も現れた。
まさかの家族連れでwww
家族でこっちに旅行に来たらしい。
そんな一家水入らずの旅行に訳の分からない外国人が一人混じっているのは非常に申し訳ない気持ちになったが、そんなの気にするなと言わんばかりに皆フレンドリーに接してくれた。
ありがたい。
子供達が寝静まった後も宴は続いた。口数は少ないけどめちゃくちゃ優しいラン。聞くとハンターだそう。かっけぇ。
あっという間に時間は過ぎ気付けば日付をまたぐ頃になっていた。もっと色々話を聞きたかったがどうやら僕も電池切れな様子だ。
先に寝ることにする。
明日は1年半振りの友人と会う予定だ。
楽しみで仕方ない。