東南アジア釣遊記 カンボジア編#1〜陸路シェムリアップへ〜 – Expedition!!←最初から読む
亡霊が彷徨う午前2時の路地裏
それは昨夜の事だった。
近頃ピリッとする事が全然なくて興味が赴くまま彼方此方の裏路地へ入っていたのだけどシアヌークへ旅立つ友人達を見送る時に現れたバイクに乗ったオネェの方に友人と別れた後の真っ暗な夜道を追跡された。
何時もの事なんですぐに諦めるだろうと無視して歩き続けていたのだがこれがなかなかにしつこい。
諦めて何処かに行ったのかと思えば進行方向前方にバイクを停めクネクネ、ニヤニヤしながらまた此方に近づいてくる。そんな事が数回繰り返されあまりのしつこさと人通りのない真っ暗な路地裏というシチュエーションも相まって、もはや恐怖で僕にはバットマンに登場するジョーカーにしか見えない。
かなり執拗に付きまとわれ遂にはホテル前まで付いて来てしまった。
だがホテルの敷居さえくぐってしまえば安全だろう。フロントにスタッフも居るし追っ払ってくれるはず。そう思い足早に入ろうとした時まさかの事態が…
深夜過ぎてフロントにスタッフが居なかった問題発生。
そして居ないどころか消灯して真っ暗になっている。24時間対応フロントと書いてあったから一応1人くらい居るものだと思い込んでいたが違った。やばい。
更に運の悪い事にこのホテルは外とホテル内を隔てる扉が無い非常にオープンな作りをしている。やばい。
そしてガシッ!と腕を掴まれそのままホテル内に入ってきそうなジョーカー。
うわあああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!
あまりの恐怖に持っていた傘を振り回し猛ダッシュで部屋へ逃げ込み即全ての鍵を掛けた。
マジで怖いっす。
部屋に戻ってからもまだ扉の向こうに居るんじゃないかと何度も覗き穴から確認したりして非常に落ち着かない夜を過ごす事になった。ちょっとトラウマになりそうだ。
そんなジョーカー事件の翌日。
今日から再び単独行動になった僕はとりあえず釣り場を探す事から始めた。
ホテルに少し日本語がわかるスタッフが居て仲良くなりトゥクトゥクを呼んでもらって遺跡周辺を調査する事にした。
前日友人達をガイドして居たシーさんに聞いた所、アンコールワットのお堀は釣りしてると怒られるという話なので違う場所に行ってみようと思う。
迎えにきたトゥクトゥクに乗り込みまずはシェムリアップ川上流の様子を見に行く。
川へ出れる場所を聞きながら未舗装路を突き進んでいると所々に釣りをしている地元の人達がいた。
少しひらけた場所に出たので竿を出してみることにする。
かなり濁りがキツイ。
これが普通なのだろうか?漁師の仕掛けには小魚が数匹掛かっているので一応魚はそれなりに居るみたい。
しかしフロッグを引いたりボトムをグラブでズル引いたりしたが反応はない。
再び移動を開始。遺跡エリアに所々いる警備員の様な警察の様な人たちに釣りが出来て魚がいる場所を聞きながら周辺をまわる。
水面に反応はあるもののそこまで大きくない様子。なるだけ小さなフロッグを持ってきたけどそれでもデカすぎるのか?
移動。
警備員がここはデカイのが居るというのでかなりしつこく攻めてみた。トゥクトゥクの運転手を置き去りにする程夢中になってキャストしていたら気付くと背後に地元の子供達が沢山集まっていた。
みんな不思議そうな顔でこちらを見ている。世界遺産まで来て釣りしてる人は全体から見たらごく少数なんだろうな。
船の修理をしていたおじさんも加わり色々とアドバイスを貰うが反応は無い。やはり朝一がチャンスだという様な事を言っている。
その後も数カ所見てまわり大体の様子は掴めた。
釣りをする地元の方も発見。
ここでは水面にかなり反応が見られたがサイズ的に20cmから良くて30cmといった感じ。
もっと小さなルアーを持ってくれば良かった。
手持ちのルアーと釣り場の状況を見る限り一筋縄ではいかない様な気がした為、この日は一旦出直す事にした。
釣具屋とかあるのかな…。