コロンビア釣行記#1〜Japan to Colombia〜 – Expedition!!←最初から読む
12月28日ー実釣2日目ー
まだ暗いうちに起床し支度を開始。
同行者の話だと昨日は15lbオーバーが数回チェイスして来たらしいのでかなり期待が持てそうだ。
各ラーゴに散らばり入り口、張り出し、ハンプに向かってキャストを繰り返しながらランガンしていく。
20cm 150gという大型ルアーをキャスト。水面直下を左右にジグザグダートする様に飛ばしていると突如後方の水面が盛り上がりゴヴォッ!という低い捕食音と共に一気にロッドが絞り込まれた。
突然の急襲に一瞬身体を持っていかれそうになりながらも狭いバウの先端でなんとか耐え同行者がボガを入れた。
ピーコックバス(Cichla temensis)
現地ではpavón パヴォンと呼ばれていた。
青、朱、黄、黒、白の体色が鮮やかでとても綺麗だ。
余韻に浸りつつも更なる大物ピーコックを求めてキャストを再開。
するとすぐにヒット。
増し締めしたドラグを引き出していったのはまたしても良いサイズのピーコック。一体どうなってるんだこの河は。
大好きなオリノセンシスも追加。
一通りやってみた感じ数は少ないが大きい個体が多い印象を受けた。
あがってきた同行者達の釣果を聞いてもアベレージが10lb前後なんじゃないかと思わせる様な好釣果。なんなのコロンビア。凄過ぎる…。
明日以降も期待が膨らむがひとつ気がかりな事がある。僕等の船長、通称ボス。
昼過ぎになると「もう暗くなる」と言ってやたらキャンプ地へ帰りたがる癖がある。
今日は14時にキャンプ地へ帰還したが不満気な我々の顔を見て渋々再度出船。
しかし1時間後またキャンプ地へ帰還。
匂う…。匂うぞこれは…。
怠け者臭がプンプンしている。
明日からボスのホームシック問題に悩まされそうな気しかしない。
12月29日ー実釣3日目ー
夜中降り続いた雨により濁りが入ってしまった。加えて水温低下もしているはずだ。
朝はキャンプ地より下流を回りその後上流方向へバウを向けた。
辿り着いたラーゴは本流とは打って変わって水が良かった。コレは釣れそうだ。
そう思っていた矢先引いているルアーの後ろでギラっと反転して行くのが見えた。うまく乗らなかったが早速の反応に期待が高まる。
バレたり乗らなかったりでなかなか釣り上げる事が出来ないが濁りエリアに比べ幾分生命感があるような気がする。
濁りを避け水が生きているエリアを探していると再び完全に本流とラーゴ内で水色がクッキリと変わっているポイントを発見。
岸と平行にルアーを引いていると突如水面が爆発した。
うおおおおぉ!!キタぁぁぁぁ!!!なんてカッコイイんだ。そして太てぇぇぇぇぇ!!
恐るべし…!恐るべしコロンビア。
なんか僕もう満足してしまったんですがw
気持ちにだいぶ余裕が出てきた所でモンスターピーコックを探し船を走らせる。
道中クレイジー船と遭遇。
近づいて行くと何か様子がおかしい。
水が欲しいとの要請を受け水を手渡す。朝あれだけ大量に積んで行った筈だがどうしたものか。
聞くとクレイジー船長による強引な操船により船が転覆した模様。立木やシャローを物ともせずエンジン全開で突破を試みた様だ。
なんというフィジカル。
イブラヒモビッチもビックリだ。
「気付いたら水面が横にありましたね」とは同行者談である。
不幸中の幸いで転覆場所がシャローだった為、タックル含め全ての荷物は無事だったが。船内がガソリンまみれになり水と混ざった油がリール内部で凝固。化学反応を起こしリールのパーツが変形するなどの重大被害が出た。
水もビールも油を被り何を飲んでもガソリンの味がするという正に地獄の様な船上である。かなりメンタルを削がれたに違いない。
互いに釣果報告をしクレイジー船と別れ彷徨っていると突如ボスの帰りたい病が発症。気付くと昨日同様キャンプ地へ戻って来ていた。
コレは由々しき事態である。このままこの事案を放置すると明日からも毎日釣行時間が削がれてしまうのは明白だ。早急に対処する必要がある。
あらゆる方向から多角的に対策を検討した結果ボス達と意思疎通の出来る代表者にチクるという最もシンプル且つ合理的な手段を導き出した。
フフフフ…。これで今夜ボスは雷を落とされるに違いない。明日からは日暮れまで釣りが出来るだろう。
夕食後、インディアンの矢を見せてもらった。この矢で魚を射って獲っているらしい。インディアン凄過ぎるだろ。
今日は雨の影響で全体的にあまり良い状況ではなく釣果も割と渋めだった。
明日状況が好転する事を願うばかりだ。