現代シルクロードの旅#1 〜アジアハイウェイ1号線を行く〜 – Expedition!!←最初から読む
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ディマプール到着
コヒマから下る事3時間半。
ようやくディマプールだ。
たいした距離ではないのに予想以上に時間を取られてしまった。
町に近づくと検問が数回ありその度に止められ積荷のチェックを受けた。
恐らく麻薬を運んでないか確認してるのではないかと思う。ミャンマー北部のジャングル地帯はヘロインの原料となるケシの一大産地でありそこからマニプール州を経てナガランドへ入ってくる様だ。それと同時にナガランドとミャンマー北部は隣同士山奥で繋がっているので深い山中に別の密輸ルートがある事も考えられる。
一説によればナガの独立運動組織を弱体化させる為に裏でインド軍が手を引いているとかいないとか言う噂もあるらしい。
真実であれば相当黒い。黒過ぎる。
ディマプールの町は暗くて規模こそわからないがそれなりに賑わっている様子。
ようやく下界に下りてこられて嬉しいが1つ問題が発生している。
ここまで10時間ほど悪路を走ってきたが、僕はてっきりディマプールまで出れば後は舗装されたいい道に変わると思っていた。
しかしだ。
街中はおろか更に先まで行っても道は一向に良くなることは無かった。
夜9時頃にアッサム州境を越える。
工事箇所が多く相変わらず道は良くならない。そんな中再びの故障。
こんな感じで本当に朝までに着くのだろうか?
もはや気力も体力も削られて放心状態だ。
夜中1時半、雨の音で目が覚める。
程なく休憩を兼ねて食事が始まったがもう寝てたので食べる気が全くおきない。
この頃になると道はだいぶ良くなり、今までの疲れも手伝ってぐっすり眠る事が出来た。
雲の住みかへ
明るくなる頃にアッサム州都グワハティとの分岐点に到着。
ここで数人下車し、残った僕らはシロンへ向かって再出発した。
出発してすぐにアッサム州とメガラヤ州の州境を越え再び山道に。
昨夜の苦行がフラッシュバックし酷い憂鬱感に襲われる。メンタルを整え来たるべき苦行に覚悟を決めたが予想外にこちらの峠は綺麗に舗装された片側2車線の快適な道だった。
ぐんぐんと標高を上げていくバス。
周りは白くモヤが掛かり雲の中に居るようだ。それを突き抜けると一気に晴れ間が差してきて車窓から見える眼下の山間には雲海が見えた。
メガラヤ
サンスクリット語で「雲の住みか」だそうだ。
コヒマもそうだったが高地へ登れば登るほど神聖な空気を感じるのは何故なのだろう?
そんな事を考えながら車窓を眺めていると次第に山道は賑やかな街へと変わって行った。
もうすぐシロンに着きそうだ。
バスはてっきり町の中心地に着くものだと思っていたのだが、どんどん乗客は降りて行きそのまま街の外れの方まで来てしまった。
不味い気配を察知し僕も慌てて途中下車。
降りた所に寄ってきたタクシーのおっちゃんに中心地まで乗せて行ってもらう。
名はバカラウ。ボッタクリだ。
しかし付近にはこの男しかおらず他に移動手段が無いので仕方なく合意。
別にボッタクリでも日本人からしたら大した額では無いのだから払ってやればいいじゃないかとも思ったりするのだが、別に金が惜しくて払いたくないのではなくそれに見合うサービスや工夫をして欲しいのだ。
なので適正価格まで値切ったとしてもその後いいサービスを提供してくれた場合チップとして多目に支払う事はよくある。
当たり前の様に払ってしまうと味をしめてただただボッタクリ連中がのさばり、真面目にやっている人間が馬鹿を見る世界になってしまうし、そもそも当人をボッタクれば稼げるという思考停止状態にさせてしまうとその人のためにもならないんじゃないかと思っている。
あくまで個人的な意見だが似た様な事を思う旅人は多いと思う。
話を戻そう。
ボッタクっておいて「明日チェラプンジ(有名観光地)に連れて行ってやるから連絡しろ」と電話番号を渡してくるバカラウ。
まさかする訳がないだろう。
誠実な人間だったら明日からの釣り場探しに数日間チャーターしようと思っていたのに残念だ。
タクシーはポリスバザールという町の中心部に到着。
そして5〜6人が窓から手を入れ「チェラプンジ!チェラプンジィィ!!ちぇらぷんじぃぃぃぃぃぃ!!!」と迫ってくる。
かなり強引だ。
というか一目散に走って来るんじゃない。
怖いだろw
しかし意外にもメンタルは弱いらしく素っ気ない態度で「行かない。今日は寝る。」と行ったらすぐに別の人間の元へ走って行った。
意外といい奴らなのかも知れない。
とりあえず荷物を置きたいのでホテルを探す事にした。
まだ朝早いので空いているホテルがなかなか見つからず疲れ切った所に丁度開いているホテルを見つけチェックイン。
荷物を置いたら早速、釣り場の聞き込みだ。
町を散策しながら賑わっているエリアで数人に声を掛けたが有力情報は得られず。結構難航しそうな気配がする。
昼になり目に付いた飯屋に入るとビリヤニを発見したので即注文。
実に24時間ぶりのまともな飯だ。
ビリヤニとは簡単に言えばこの辺りのスパイスの効いたチャーハン的な食べ物だ。
時折、付け合わせの玉ねぎとライム?と謎のペーストをつまみながらパクつくと味変出来て最後まで美味しく食べれる。
かなりの量だったがあっという間に完食。
多分カレーとビリヤニ、あとは野菜があれば僕は生きていけると思う。
食後は部屋に戻り死ぬほど遅いネットを駆使しGoogleMapで良さげな場所を選抜していたら気づいたら寝落ちしていた。
明日は釣り場に立てるだろうか?