マレー半島縦断鉄道釣旅#1〜Thailand to Singapore〜 – Expedition!!←最初から読む
朝6時。
目覚ましをかけなかったにも関わらず起きてしまった。今日は釣堀にでも行こうかと思っていたがまだちゃんとマレーシアの町を見た事がなかったので〝町を知る″という意味で1日周辺を散策してみることにした。
使う分のお金とスマホ、カメラをポケットに突っ込んで宿を出た。とりあえず腹が減ったので散歩しながら近くのバクテーを出している店に向かう。今日も天気は快晴で朝から日差しが眩しいが日陰に入るとすごく涼しくて日本の夏より断然過ごしやすい気がした。
5分ほど歩くと目的の店に着いた。
まだ朝も早いせいか客は疎らだ。
早速、肉骨茶(バクテー)を注文。漢方が効いたスープにスペアリブが入った物だ。
曲者好きな僕は以前からずっと食べたいと思っていてようやくありつけた。ご飯付きでRM17程だったと思う。個人的にもっと漢方っぽい方が好みだがこれくらいなら苦手な人も食べれるかもしれない。
お腹が一杯になったら急に便意を催してきた。早く部屋に帰ればいいのだが生憎部屋のトイレにはトイレットペーパーは無く(用を足した後に紙で拭く文化がない)唯一の頼みの手動ウォシュレットは蛇口がなぜそんな位置に取り付けたのか?という様な訳の分からない所に付いていて使ったら大変な事になりそうな為、近くの高級商業施設パビリオンの開店待ちをする羽目になった。
トイレにはダイソン製の手を乾かす装置が設置されていてめちゃくちゃ早く乾く。流石高級商業施設のトイレ、色々とクオリティが高い。
この時からブキビンタンを代表する高級ショッピングモール、パビリオンはショッピングをする所ではなく便意を催した時にいく場所になった。
危機を脱し昼間のジャラン・アローへ向かう。
ジャランというのはマレー語で通りの意味。
夜にかけて賑わってくるエリアなので早い時間は閑散としている。
とりあえず開いていた通りの入り口にある中華料理屋に入って一杯。それが終わると釣具屋を覗いてみたくなりタクシーで30分程走った先にある釣具屋【Kepong Tackle SDN】へ向かった。
結構大きな釣具屋で店内には所狭しと釣り具が並べられている。ここに来ればマレーシアの釣りに必要な物は一通り揃えられるはずだ。
そしてこの釣具屋で友人とニアミス。挨拶したかったのだけど既にタクシーで走り出した後に気付いた為、また遊びに来ます!と約束しブキビンタンへ戻って来た。
裏路地を徘徊していたらなんともアーティスティックな通りに出た。この辺りの路地一帯、壁にアートが描かれていてかなりポップな雰囲気だった。
更にふらふらしていると大通りから少し入った所に怪しげな床屋を発見。料金は400円。
店内の様子を伺うため、一旦前を通り過ぎながら中を観察したが危険そうな雰囲気が漂っている。とんでもない頭にされる可能性も捨てきれなかったが丁度髪の毛がウザったいと思っていた所だったので試しに入ってみた。中は色んなものが散らかっていて床屋というより友達の部屋に遊びに来た様な雰囲気だ。
早速カットを開始するがバリカンが物凄く調子悪くて途中爆発するんじゃないかと思う程の音をあげはじめてかなり焦った。
一体どんな頭になってしまうのかと微妙にワクワクだったのだけど終わってみると割と普通に仕上がった。もっととんでもない頭にしてくれても良かったが意外とマトモな床屋だったから普通にまたリピートするかも知れない。こういう路地裏が好きで見つけるととりあえず入ってしまう。
ココはホテルの裏手にあるマレー系の屋台。
そのまま周辺を彷徨き一通り満足したので一旦宿へ戻りシャワーを浴びて軽く昼寝。
辺りが暗くなる頃、再びジャランアローへ出た。昼間とは違い活気に満ちている。どこに入ろうかとキョロキョロしながら通りの中程まで来た所で呼び込みのお兄さんに連れられ着座。路上に所狭しと配置された席の一角でビール片手に過ごす時間がなんだかいいな。
最初は小煩い街だと思ったが慣れて来るとこの喧騒も段々居心地が良くなって来るものだ。マレーシア版焼鳥のサテ。
隣に添えられている甘いピーナツソースに付けて食べる。甘いピーナツソース…?と最初思っていたが食べてみると相性抜群でとっても美味しい。おかげでビールがガンガン進んだ。
食後はクアラルンプールのランドマーク、ペトロナスツインタワーを見に行った。海外の建築って日本と比べると夜のライトアップが物凄く綺麗な気がするけど日本は何か建築法とか航空法とかで規制があるのだろうか?丁度選挙期間中でマレーシア中のあちこちに各政党の旗が設置されている。
後日、元首相であるマハティール氏(92)率いる野党連合が勝利し独立以来初となる政権交代を果たした様で6月1日からは消費税が0になるらしい。凄い。
一日歩き回ったおかげでだんだん土地勘がついてきた。こうなると楽しいもので次はあそこに行きたいとかあっちのエリアには何があるんだろうという風にどんどん行動範囲が広がっていく。マレーシアにもまた会いたい人や行きたい場所が沢山出来た。
そろそろ宿へ帰ろうかと歩いていると中東系のお店でリラックスしながらシーシャを燻らせている人々を見つけた。昨夜ブキビンタンに到着した時からずっと気になっていたシーシャ。
シーシャとは俗にいう水煙草。起源はペルシャだと言われイスラム圏では広く親しまれている喫煙具の一種だ。見慣れない大掛かりな器具を用い水をフィルター代わりにアップルやチョコレートなど色々なフレーバーが味わえるらしい。近くに居た店員に声をかけるとそのまま店内に案内された。1番人気はアップルフレーバーだと言うので言われるがまま注文。なんか映画とかで見たことある様なのが出て来た。店員のお兄さんが吸い方をレクチャーしてくれるので見様見真似でやってみる。なんかうまく煙が出ない。
喫煙者の方ならわかると思うが気持ち的に煙が沢山出た方が美味しく感じる。店員がやると沢山出るのに僕がやるとあんまり出ないのは何かコツがあるのだろうか?そのコツとやらを探すためにムキになってハイペースで吸いまくってたら気持ちが悪くなって来た。リラックスするためにあるのに逆に具合が悪くなるなんて本末転倒だ。諦めて気ままに味わい店を後にした。
一日、町を歩いた事で少しではあるけれどマレーシアの事を知れてまた好きになった。
明日はKLを離れマレーシア南端ジョホールバルを目指す。旅もいよいよ折返し地点だ。明日の支度を済ませ床についた。